図2 核燃料1トンの放射能量の時間変化
(‘第2次取りまとめ’(2)をもとに作成).
核燃料は,発電に利用することで大きな放射能をもつようになる.原子炉から取り出した直後は,放射能の強い半減期およそ1年未満の核種の減衰を待つため,使用済み燃料のまま貯蔵プールで冷却保管される.4,5年後に再処理してガラス固化したあとは,30〜50年保管して崩壊熱が下がるのを待って地層処分する予定になっている.数万年後の放射能は,燃料製造に必要なウラン鉱石の全放射能と同程度まで減少するが,もともとのウラン鉱石(品位1%としても燃料1トンの製造に750トンを要する)よりは質量が少ない分だけ濃縮されていることになる.なお,使用前の核燃料の放射能が燃料製造に要するウラン鉱石の放射能より弱いのは,燃料製造ではウラン鉱石から製錬によって天然ウランを取り出し,さらにウラン235を濃縮するため,核燃料に使われるウランは原料鉱石のごく一部にすぎないためである.